このサイトでは何度もお伝えしている事ではありますが、プリザーブドフラワーとは「生花」をベースにプリザーブド液を仕様し加工する事で1年から数年枯れない「保存された」生花を作る技術です。ですがお花の加工方法も実は色々あり、よく造花やドライフラワー等と混同している人がいるというのも事実です。そこで今回はプリザーブドフラワーとは似て非なる加工方法の仲間たちについて紹介します。
造花とドライフラワー
まず「造花」あるいは最近だと「アーティフィシャルフラワー」と呼ばれるもの、これは厳密にはお花の形をしていますがお花ではありません。花以外の何らかの素材、例えば紙やプラスチック等を駆使して花に見えるよう加工した商品が一般的には造花と呼ばれています。少し前だと「香港フラワー」と呼ばれるビニールで出来た造花が主流でしたがこちらは見るからに安っぽく生花との判別も容易でした。しかし最近では香港フラワーに替わり「シルクフラワー」と呼ばれる造花が主流となりました。名前こそシルクフラワーですが主な素材はポリエステルでありこちらは香港フラワーと比較してずっと生花に近いビジュアルや質感を持つとの事です。
一方ドライフラワーはプリザーブドフラワーと同様に「生花」を素材としていますがこちらは加工の行程が異なります。ドライフラワーはその名前の通り生花をシリゲル乾燥や自然乾燥、機械乾燥等を駆使し乾燥させた商品になります。こちらもプリザーブドフラワー同様かなり長い期間楽しむ事が可能ですがみずみずしさは無く多少縮む、色あせてしまう等の難点を抱えています。またプリザーブド同様に非常にデリケートで崩れやすい事等から適した花と適していない花があり、どちらかというと色の濃い花でないと見栄えがよくないと言います。
プリザーブドフラワーアレンジの幅
ただプリザーブドフラワーにも難点があり、例えばプリザーブド加工品には保存液を吸い上げさせる行程で葉を落とし茎も短くしてしまうのでアレンジメントがすかすかして見える、色の濃い花と色の薄い花を隣接させておくと湿度によっては色移りが生じる等と言われています。しかしプリザーブド加工した花を中心に造花やドライフラワーも織り交ぜたアレンジにする事でこれらプリザーブドの弱点をカバーする事が可能です。この事から特に大型の商品ほどプリザーブドフラワーの他に造花やドライフラワーを併用したアレンジが多く見受けられます。これら3つの製法は全く異なれど、全て水が不要で長期間持つという事から混同される一方で、これら3つの組み合わせは比較的相性の良い物となっています。